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日本皮膚科学会男性型脱毛症(AGA)診療ガイドラインを医師がわかりやすく解説!

監修 :
Hair's ドクターチーム
2020-12-08 4:59
更新

薄毛を治したいけど、インターネットを調べるといろんな治療法が出てきて何が正しいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?

薄毛に効くシャンプーなどのヘアケア商品を買う所から始めればいいのか、あるいは食生活など生活週間の改善だけでよくなるのか?そんな疑問をもつ方は、日本皮膚科学会が作成しているAGA診療ガイドラインを見てみると良いかもしれません。

ここでは、診療ガイドラインに書かれている内容を、誰でも理解できるように分かりやすく説明していきます。

そもそも診療ガイドラインって何?

診療ガイドラインとは科学的根拠に基づいて作成された、その時点で最も推奨される診断・治療法を示す文書のことです。

これは、学会などの組織が中心となって作成されます。
ガイドライン作成時までに発表された数々の研究論文を専門家達が読み込み、重要度の高いものを選んでまとめ、それをもとにどういった検査や治療が効果的なのか、あるいは効果的ではないのかを検討し、多くの問題に対する答えを作成します。

以上から、ガイドラインに記載されていることは信頼度が高く、医師や看護師、薬剤師などの医療従事者も、このガイドラインを一つの大きな指針として日々の診療を行っています。

もちろん、ガイドラインに記載されていることが全てではなく、実際にはガイドラインの情報だけでは解決できないような事態も多く発生するので、日々積み重ねてきた経験による知識を交えながら、それぞれにあった最適な医療は何かを常に模索していくことが重要です。

最近では、患者さんにもガイドラインの内容をよく知ってもらうために、患者さん向けの診療ガイドラインが作成されているものもあります。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

現在日本皮膚科学会が作成した最も新しいガイドラインは、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」になります。

この2017年版では、1つ前の2010年男性型脱毛診療ガイドラインと比較して、新たな治療薬や治療法についての検討が追加されているということと、最近注目されてきている女性型脱毛症の概念が追加されているという点で、大きく進化したものとなっています。

AGAという疾患概念や病態、診断については別の記事で詳しくまとめてありますので、ここではガイドラインで推奨されている治療法にフォーカスを当てて、分かりやすく説明していきたいと思います。

AGA診療ガイドラインが勧める治療法まとめ

まずはガイドラインが推奨する治療法を分かりやすく表にまとめました。
これを見れば、どの治療薬・治療法が日本で推奨されているのか、一目瞭然だと思います。

治療法 男性型脱毛症 女性型脱毛症
ミノキシジルの外用 強く勧める 強く勧める
フィナステリドの内服 強く勧める 行うべきではない
デュタステリドの内服 強く勧める 行うべきではない
LEDおよび低出力レーザー照射 勧める 勧める
自毛植毛術 勧める 行っても良い
アデノシンの外用 勧める 行っても良い
カルプロニウム塩化物の外用 行っても良い 行っても良い
t-フラパノンの外用 行っても良い 行っても良い
サイトプリンおよびペンタデカンの外用 行っても良い 行っても良い
ケトコナゾールの外用 行っても良い 行っても良い
かつらの着用 行っても良い 行っても良い
ビマトプロストおよびラタノプロストの外用 行わないほうが良い 行わないほうが良い
成長因子導入および細胞移植療法 行わないほうが良い 行わないほうが良い
ミノキシジルの内服 行うべきではない 行うべきではない
人工毛植毛術 行うべきではない 行うべきではない

男性型脱毛症・女性型脱毛症共に、最も推奨されている治療法は「ミノキシジルの外用」です。

また、注意しなくてはいけないのが、「フィナステリドとデュタステリドの内服」は男性型脱毛症には強く勧められていますが、女性型脱毛症には行うべきではないとされていることです。

さらに言えば最も推奨されているミノキシジルも「外用(塗る)」が効果的というだけで、「内服(飲む)」に関しては男性型・女性型共に行うべきではないとされていることも注意が必要です。

最近登場した「LED及び低出力レーザー照射」は2017年時点では男性型・女性型共に「推奨する」となっています。今後の医療の進化と研究によってどのように変化していくか注目ですね。

それぞれの治療法が「推奨される」あるいは「推奨されない」理由

ガイドラインでそれぞれの治療法が推奨されるあるいは推奨されない科学的根拠について詳しく知りたい方のために、できる限り分かりやすく解説していきます。

・ミノキシジルの外用

ミノキシジルはもともと高血圧の薬で、強い血管拡張作用を持っており、頭皮の毛細血管の血流を改善することで、発毛を促進する効果があります

ミノキシジルの外用については数々の研究でその発毛効果が実証されています。1つの国内の研究結果では、5%ミノキシジルを使用した結果、約半年で脱毛部の毛が平均26.4本増えたと報告されています[1]。

また、ミノキシジルの濃度が濃い方が効果が強いことも分かっています。海外ではより高濃度のミノキシジルを使用した研究がされていますが、国内の研究では男性で5%ミノキシジル、女性で1%ミノキシジルの使用が最高濃度であるため、男性型脱毛症に5%ミノキシジル、女性型脱毛症に1%ミノキシジルの外用がガイドラインでは推奨されています。

一方ミノキシジル内服の有用性については臨床試験が実施されていません。

ミノキシジルの内服はどの国でもまだ脱毛症に対する治療薬として認められておらず、その効果と危険性が十分に検証されていないという理由で、ガイドラインでも行うべきではないとされています。

[1] J Dermatol, 2009; 36: 437―446.

・フィナステリドの内服

フィナステリドは男性型脱毛症の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を阻害する効果があります。

国内の研究報告では、写真撮影による効果判定において、フィナステリド1mgを1年内服すると58%の人が軽度改善以上の効果が得られ[1]、5年内服すると99.4%の人で軽度改善以上の効果が得られたという報告があります[2]。

以上から、ガイドラインではフィナステリドの内服を強く推奨しています。

ただ、女性型脱毛症ではフィナステリドの内服は効果がなかったことが実証されており[3]、ガイドラインでも行うべきではないとされています。

[1] Eur J Dermatol, 2004; 14: 247―254.
[2] J Dermatol, 2015; 42: 735―738.
[3] J Am Acad Dermatol, 2000; 43: 768―776.

・デュタステリドの内服

デュタステリドもフィナステリドと同様、男性型脱毛症の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を阻害する効果があります。

また、治療効果に関してもフィナステリドと同様、デュタステリド0.5mgを半年〜5年内服し続けた結果、優れた効果が得られたことが報告されています[1]。

デュタステリドとフィナステリドの効果を比較する研究もされていますが、これについてはまだまだ検討の余地があると記載されています。

副作用として、性機能障害の報告が比較的効率にありますので(5〜10%程度)、副作用についても十分理解した上で使用する必要があります。

女性型脱毛症に対しては臨床試験が行われておらず、ガイドラインでは女性型脱毛症にはデュタステリドの内服を行うべきではないとしています。

[1] J Dermatolog Treat, 2014; 25:156―161.

・LED及び低出力レーザー照射

LEDや低出力レーザーは頭皮の奥深くまで届き、発毛増殖因子の分泌を刺激することで、血流が良くなり、発毛促進につながります

低出力レーザー照射を脱毛部に使用することで、半年後には男性型女性型共に約20本/cm2毛髪が増加していたという研究報告がされていることから[1]、有用性を示す十分な根拠があるとされています。

副作用についても皮膚の乾燥、かゆみ、軽度の蕁麻疹など比較的軽いものが多いことから、ガイドラインでは「勧める」とされています。

[1] J Clin Dermatol, 2014; 15: 115―127.

・植毛術

自毛植毛術については、その効果を確かめるための研究がなされた訳ではないのですが、2015年時点で世界全体で397,048件もの自毛植毛術がされており、82.5%以上という高い生着率が得られるという報告もあることから[1]、ガイドラインでも勧められています

しかし人工毛植毛術は、人工毛の脱落など良くない報告が過去に沢山報告されているため、ガイドラインでは行うべきではないと記載されています。

[1] NewYork: Marcel Dekker, 2004; 261―279.

・アデノシンの外用

アデノシンは細くなった毛髪を太く成長させる効果があると言われていますが、アデノシンの外用に関する研究報告は、ミノキシジルに比較すると数が少ないです。

一部の研究では0.75%アデノシン配合ローションが5%ミノキシジルと同等の効果をもたらしたという報告もあり[1]、ガイドラインでは男性型脱毛症への使用を勧められています

ただ、女性型脱毛症に対する有効性を示す根拠はまだ不足しているため、女性型脱毛症には「行っても良い」とガイドラインでは記載されています。

[1] Acta Dermatovenerol Croat, 2013; 21: 155―159

・カルプロニウム塩化物、t-フラバノン、サイトプリンおよびペンタデカン、ケトコナゾールの外用

これらの外用についてはいくつかその有効性を示す報告はされているものの、その効果が十分に実証される段階までには至っていません

今後の研究の蓄積で、ガイドラインの推奨度も変わりうる薬剤たちですが、2017年時点では大きな副作用の報告もないことから、「行っても良い」治療という位置づけになっています。

・かつらの着用

かつらの着用の有用性について評価した2つの研究報告から、脱毛症状の改善には繋がらないものの、通常の治療によってなかなか改善が得られない場合や、脱毛によってQOL(quality of life; 生活の質)が低下しているような場合は、行っても良いとされています。

副作用の報告も特にされていません。

・成長因子導入および細胞移植療法

発毛を誘導する細胞を直接脱毛部位に移植することで発毛促進効果を期待する先進医療で、今後が期待されている治療になります。

現時点では倫理委員会の承認がおりた限られた施設で、安全性や有効性を検証している段階です。

最後に

ガイドラインをみると薄毛・脱毛の治療は特定の薬剤の使用が推奨されているということがよくお分かりいただけたかと思います。

Hair'sでは、ガイドラインでも強く推奨されているフィナステリド・デュタステリドの内服ミノキシジルの外用を取り扱っています。

また、医師がそれぞれの悩みに合った治療プランを考え、提供しております。

薄毛・脱毛が気になり始めた方は、高級なシャンプーや安全性・有効性が分からない育毛剤を購入する前に、まずはHair'sの医師に気軽に相談してみてはいかがでしょうか

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