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【部位別】前頭部・頭頂部・後頭部などの薄毛が気になる方へ、原因を医師が解説します。

監修 :
Hair's ドクターチーム
2020-12-08 4:59
更新

薄毛に悩む方は多くいらっしゃいます。気になっていてもなかなか治療に踏み出せない方や漠然とした不安を抱えている方など様々です。

男性型脱毛症(Androgenic Alopecia:以下、AGA)男性の薄毛の原因ナンバーワンです。
進行性ですが、医学的根拠にもとづいた治療法があります。

薄毛・AGAといっても、その部位や進行度によっていくつかのパターンに分かれることをご存知でしょうか?部位によっては自分で薄毛の進行に気づいていないケースもあります。

AGA分類やその原因を知ることで早期発見・早期治療(対策)につなげることができます。

このページでは、AGAについて初めて勉強される方にもわかりやすく解説していきます。

薄毛を部位別に評価しよう

薄毛を評価するとき、頭を以下の4つの部位(パーツ)に分けて見ます。

  • ① 前頭部
  • ② 頭頂部
  • ③ 側頭部
  • ④ 後頭部

①前頭部

一般的にいう、”おでこ” です。前頭部の薄毛が進行した場合は、「M字ハゲ」などと呼ばれます。

前頭部の脱毛の初期は、多くの場合、おでこの真ん中の部分は髪の毛を残しながら、両サイドの部分が後退してきます。前から見るとM字に見えます。

さらに進行すると、M字の切り込みが深くなり、最初は髪が残っていたおでこの真ん中の辺りの髪の密度も薄くなってきます。

②頭頂部

頭のてっぺんのことです。つむじが薄くなる場合もあります。

上から見ると分かります。おでこの髪の毛が残っていると、意外と薄毛の初期の段階は気づかれない場合もあります。

丸い形で薄くなってきますので「O字」とよばれます。

③側頭部

頭の両側面、両耳の上側のエリアのことです。

側頭部から薄毛が始まることはまれで、前頭部や頭頂部の薄毛が進行して、最後に側頭部が頭頂部側から薄くなってきます。

④後頭部

頭の後ろの部分です。AGAが進行しても最後まで髪の毛が残りやすく、基本的には、側頭部と同じ薄毛進行の経過を辿ります。

ここまで、頭の部位は、以上の4つに分けられることを学びました。

そのほかに、AGAの進行度も合わせると、AGAの状態を正確に評価することができます。

ハミルトン・ノーウッド分類といって、9つのタイプに分けて考える方法がありますので、見ていきましょう。

ハミルトン・ノーウッド分類とは?

あなたの薄毛は、どこの部分が・どの程度気になりますか?

ハミルトン・ノーウッド分類というAGAのタイプがわかる部類があります。

Norwood OT. South Med J 1975;68(11):1359-1365.

AGAについての論文に記載されており、医学的な根拠にもとづいたよく使われる分類です。


「髪が薄くなってきた」とお悩みの方は、下の表を見ながら、ご自分がどのタイプ(型)に当てはまるかを見てみましょう。

I型 おでこの生え際(ヘアライン)がM字に後退しているが、まだ軽度。
II型 I型が進行し、M字の切れ込みが深くなっている。
II Vertex型 II型に加えて、頭頂部もO字に薄くなっている。
III型 II型が進行し、M字の切れ込みがさらに深くなり、ヘアラインの後退が2cmを超える。前頭部(おでこの真ん中あたり)も薄くなっている。
III Vertex型 III型に加え、頭頂部もO字に薄くなっている。
IV型 III型より生え際が後退。頭頂部もO字に薄くなっている。前頭部と頭頂部の薄毛はつながっていない。
V型 IV型がさらに進行。前頭部と頭頂部の薄毛の境界も薄くなってきている。
VI型 前頭部の後退した生え際と頭頂部の脱毛部がつながり一体化している。
VII型 VI型がさらに進行。側頭部・後頭部も頭頂部側は発毛がない。

あなたはAGAのどのタイプでしたでしょうか?

意識していなかった部位が実は薄くなっていた、ということもありますので、全ての箇所をスマホのカメラや鏡なども使いながら観察してみると良いでしょう。

頭の部位別にみた薄毛の原因は?

薄毛は、遺伝や生活習慣、ストレスやホルモンの影響など様々な要素が原因となって引き起こされます。

これから、頭を前頭部・頭頂部・側頭部・後頭部に分けて、薄毛の原因を解説していきます。

前頭部・頭頂部の薄毛が気になる方

①AGA(男性型脱毛症)

前頭部・頭頂部の薄毛が気になってきた方は、AGAの可能性が高いと考えられます。

飲み薬や塗り薬の治療がありますので、まずは医師に相談しましょう。合わせて、普段から適切な髪の毛のケアを合わせて行うことがとても大切です。

・AGAってなに?

男性の薄毛の原因として最も多いのが、AGAです。おでこの生え際(前頭部)や、生え際に加え頭頂部から始まり、髪の毛が細くなって、少しずつ薄くなっていく特徴があります。

多くの場合、20代後半〜30代にかけて発症し、40代以降に進行します。年齢が上がるごとに発症率が高くなります。

・AGAの原因は?

AGAの主な原因は、『男性ホルモン』と『遺伝』といわれています。

なぜ髪の毛が伸びるかというと、髪の毛の付け根の部分には「毛母細胞」があり、その毛母細胞が頭皮の血管から酸素・栄養をもらうことで、髪の毛の細胞をどんどん作ってくれるからです。

ヘアサイクルと呼ばれる、髪の毛の生え変わりの周期があります。

  • 髪の毛が伸びる(成長期)
  • 髪の毛の付け根が弱って縮んでくる(退行期)
  • 髪の毛の付け根が退化して伸びなくなる(休止期)
  • 古い髪が抜け新しい髪の毛が生えてくる(成長期)

というものです。

健康な髪の毛は、成長期が2〜6年ですが、AGAの場合は、数ヶ月〜1年と短くなります。

成長期が短くなる原因は、ジヒドロテストステロン(DHT)とよばれる男性ホルモンの影響とされています。

AGAでは、髪の毛が十分に成長しないため、髪が細く弱々しくなってしまいます。

・AGAは進行します

「少し気になるけどまだ大丈夫」と思っていても、AGAは、進行していきます。

スピードは人それぞれです。十分な治療やケアをせずに放置してしまうと、薄毛が目立ってきます。

薄毛に早めに気付けるのはご自身だけですから、早めに医師に相談し、適切な治療やケアを受けましょう。

Kaufman K D et al. Eur J Dermatol. 12(1), 38-49, 2002.


②頭皮環境の悪化

頭皮の血行不良や炎症は、髪の毛にとってよくありません。髪の毛が健康でいるためには、その土台となる頭皮が健やかな状態であることが大切です。

頭皮には毛細血管がたくさん走っていて、髪の毛の付け根の毛母細胞に栄養や酸素を与えていますが、長時間のデスクワークや睡眠不足、運動不足といったストレスが頭皮環境に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、洗髪時に汚れが落としきれていないと皮脂詰まりを起こします。反対に、洗髪のしすぎで頭皮が乾燥してしまうと皮膚炎を起こす可能性がありますのでご注意ください。

・頭皮と髪を健康に保つために

正しい洗髪方法を実践しましょう。

  • 適温のお湯で頭を流す
    お湯の温度が暑すぎると、頭皮のストレスになります。また、髪の毛だけでなく、頭皮の地肌の部分もしっかりすすぐように意識しましょう。
  • シャンプーで優しく頭皮をマッサージする
    爪を立てて、ゴシゴシと頭皮をこすることは避けましょう。シャンプーを手のひらでまんべんなく頭になじませてから、指先の腹を使って、優しく地肌を洗います。
  • シャンプーを丁寧にしっかり洗い流す
    シャンプーが残っている状態は頭皮に良くありません。力を入れずに、髪の毛だけでなく地肌もしっかり洗い落としましょう。
  • ドライヤーで乾かす
    髪の毛を濡れたまま放置しないようにしましょう。ドライヤーが近すぎても髪の毛が熱でダメージを受けてしまいます。20cm程度は頭から離すようにしましょう。

③ 栄養バランスの悪い食生活

髪の大部分は『ケラチン』というタンパク質でできています。

ケラチンは何種類ものアミノ酸から作られており、その多くは必須アミノ酸と呼ばれるもので、人間の体で作ることができないため、食べ物から摂取する必要があります。

また、乱れた食生活や過度なダイエットをしていると『亜鉛』が不足しがちになります。亜鉛とは、ミネラルの一つで、髪の毛の主成分であるケラチンを作る上で、重要な働きをしています。

頭皮の血流が十分でも、運ぶ栄養素が足りない状態では髪は育ちません。食事制限による過度なダイエットはもちろん、偏った食生活をしている方も要注意です。

側頭部・後頭部の薄毛が気になる方

AGAは、前頭部・頭頂部の薄毛から始まり、側頭部・後頭部まで進行していくのが一般的です。

側頭部・後頭部の薄毛が最初に気になる方は、以下のような原因も考えられます。

①円形脱毛症

コイン状に脱毛する突発性の脱毛症です。

体や心のストレスによって免疫機能に異常が発生する自己免疫疾患とされ、老若男女を問わず、誰でも発症する可能性があります。

自然治癒する場合もありますが、大きく広がったり再発をくりかえしたりする場合は適切な治療が必要です。

②抜毛症(トリコチロマニア)

自分で髪の毛を抜いてしまうものです。ストレスが影響している場合があります。

③ホルモン異常(甲状腺ホルモンなど)

甲状腺の疾患により、甲状腺ホルモン値が上下することで脱毛症が発症する場合があります。

④薬剤性(抗癌剤など)

まずは、内科・皮膚科の医師に相談しましょう。

まとめ

薄毛を頭のパーツに分けて、その分類や原因について解説してきました。

薄毛の原因には、遺伝・生活習慣など、様々な要素が絡むことがおわかりいただけましたでしょうか

薄毛の状態・原因がわかったら、次は適切な治療(ケア)に進みましょう。

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