シャンプーは毎日の習慣という人は非常に多いかと思いますが、そのシャンプーが原因で薄毛になるリスクが高くなるとしたら…?
実は、市販のシャンプーには髪の毛や頭皮にとって良くない成分が含まれている可能性があります。
そこで今回は、シャンプーによって薄毛になるメカニズムや、薄毛を予防する方法を紹介したいと思います。
シャンプーがリスクになりうる薄毛の種類とは?
・粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)
これは女性に多くみられる脱毛症です。肌質に合わないシャンプーやパーマ、ヘアカラーなどによる頭皮へのダメージによって、頭皮の新陳代謝(ターンオーバー)に異常をきたし、本来であれば剥がれ落ちるべき角質(フケ)が、剥がれ落ちずに毛穴に詰まってしまいます。
角質(フケ)が詰まった毛穴からは老廃物や汚れが排出できなくなるため、これが細菌繁殖の原因となり、結果として毛根にダメージが加わり、抜け毛の量が増えるてしまうのです。
この場合のフケは乾燥していて白っぽいという特徴があります。
・脂漏性皮膚炎に伴う脱毛
脂漏性皮膚炎は炎症性の皮膚疾患の一種で、頭皮の常在菌であるマラセチアが大量に繁殖することで起こります。
マラセチアは真菌(カビ)の一種で、皮脂をエサとして繁殖します。そのため、皮脂の分泌量が多い場所であれば、どこにでも脂漏性皮膚炎を発症する可能性があります。
頭皮は体の中で最も皮脂の分泌量が多い場所であるため、皮脂が過剰に分泌されることで脂漏性皮膚炎を発症するリスクが高くなるのです。
マラセチアの繁殖によって頭皮に炎症を起こしたり、毛根にダメージを与えたりすることによって、次第に頭皮環境が悪化します。その結果、丈夫な髪の毛が育つ土壌が損なわれ、脱毛のリスクが高くなるのです。
先ほど紹介した粃糠性脱毛症では、フケが白っぽかったのに対して、脂漏性皮膚炎の場合には黄色っぽくベタベタしていることが多くなります。フケの量が多いため、不潔な印象を与えてしまうこともあるのです。
・AGA
近年、徐々に認知度が上がってきている、男性にみられる脱毛症です。
男性型脱毛症を発症する人は、5α-リダクターゼが活発に働く遺伝子と、感受性の高いアンドロゲンレセプターの遺伝子を持っているとされます。
5α-リダクターゼは、男性ホルモンであるテストステロンを、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変換させる働きがあります。
ジヒドロテストステロンは男性ホルモン受容器であるアンドロゲンレセプターと結合し、抜け毛の原因となる「TGF-β」という有害なサイトカインを産生します。
つまり、遺伝的に5α-リダクターゼが活発に働く遺伝子を持ち、なおかつアンドロゲンレセプターの感受性が高い場合、男性型脱毛症を発症するリスクが高くなるのです。
しかし実は、男性型脱毛症はいくつかの原因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。その1つが肌質に合わないシャンプーなのです。
その他にもストレスやタバコ、運動不足、睡眠不足など、多くのことが男性型脱毛症の原因とされています。
AGAについては→【医師監修】どうして薄毛になるの?原因は?【男性編】のページで詳しく紹介しています。
なぜシャンプーが薄毛の原因になるのか
シャンプーが薄毛の原因になることは上記で紹介しました。では肌質に合っていないシャンプーは、なぜ薄毛の原因となるのでしょうか。
・頭皮にとって必要な皮脂まで洗い流してしまう
シャンプーは髪の毛や頭皮を洗浄するためのものですが、頭皮にとって必要な皮脂まで洗い流してしまうと、頭皮のバリア機能が失われてしまいます。その結果、紫外線や頭皮の常在菌などから頭皮を守れなくなり、結果として抜け毛のリスクを高めるのです。
・シャンプーに含まれる成分の問題
市販のシャンプーには、髪の毛や頭皮にとって好ましくない成分が多く含まれています。その代表が洗浄成分である合成界面活性剤です。
合成界面活性剤の洗浄力は強力なので、頭皮を守るべく皮脂を洗い流してしまうのです。
一般的なシャンプーは頭皮や髪の毛を洗浄することを目的としており、ヘアケアやスカルプケアを目的としていません。そのため、薄毛を予防したいのであれば、薬用シャンプーや育毛用シャンプーを選ぶのが良いでしょう。
薄毛が気になったら試してみよう
・洗髪習慣を見直してみましょう
最近抜け毛が増えたなと感じたら洗髪習慣を見直してみましょう。
きれいさっぱりというワケではありませんが、お湯だけで不要な汚れは落ちると言われています。実はシャンプー剤をつける前にシャンプーという工程の7割は終了します。裏を返せば、その7割を知らないがために過剰に頭皮や髪を傷めてしまっていることもあるのです。頭皮をゴシゴシと擦るような洗い方や拭き方は、頭皮にダメージを与えてしまうので、指の腹で優しくマッサージし、タオルに水分を含ませるようにして優しく拭き取りましょう。
・育毛剤やサプリメントを試してみる
将来の薄毛を予防する意味では、育毛剤やサプリメントを利用するのも有効です。
男性の場合は5α-リダクターゼの働きを阻害するノコギリヤシ、女性の場合は女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンを配合した育毛剤やサプリメントがおすすめです。
・クリニックを受診して医師に相談をする
それでもなかなか抜け毛の量が減らない場合、なるべく早めに専門のクリニックを受診しましょう。
特にAGAを発症している場合、治療を行わないと脱毛は進行してしまいますので、お気軽に当院までご相談ください。
まとめ
今回,薄毛とシャンプーの関係について説明しました。
普段何気なく行っているシャンプーですが,実は頭皮に対してダメージを与えているかもしれません。
抜け毛でお悩みの際は,どんな些細なことでも構わないので遠慮なく当院までご相談ください。